あ、どうもこんにちは。
私、こういうものです。
え、何だこの葉っぱは、って?
ああ、どうも失礼いたしました。
これはですね、私どもの、名刺なのでございますよ。
まあ私どもに言わせれば、あなた方の使う、紙、ですか、わざわざあんなものを作って使うなんて到底理解できたものではございません。
だって、そうでございましょう? 私どもの技術を使えば、ほら、このような小さな葉にすらも、無限に情報を刻むことができるのですから。
じゃあその技術を教えろ?
それは無理というものでございます。だってあなた、それは生まれたばかりの赤ん坊に対して、かわいさの秘訣を訊くようなものだからです。あるいは、霊が見える人に霊の見方を尋ねるようなものだからでございます。
つまりその方法は、私どもが生まれたときから会得している、私どもにしかできない技術なのでございます。
え、それじゃあ何をしにきたのかって?
いえいえ、もちろん、私はあなたに名刺の作り方をお教えに来たわけではございません。ええ、もちろんですとも。
つまり、これでございます。
この、特別大きな栗の葉。こちらをご紹介にあがりました次第で。
この栗の葉、私どもの特別な技術を使いまして、これを煎じて飲めば死んだ者が生き返るという優れものに仕立てあげました。
し・か・も!
これは一度生き返るだけではなく、生き返ったものは二度と死なない、そういう特別な効果があるんでございます。
いかがでしょう、今なら特別価格、魂半分! これ以上のお値打ち品は、今後一切出ることはございません。不死を望むあなた様には、ピッタリの一品だと思うのですが。
ああ、もちろんです。これをお飲みになった後は、一切お歳を重ねることはございません。
では、契約書にサインを・・・・・・。
続く
お買い上げありがとうございます。→