なぜ責めるんだ、と口を尖らせる。
それを見て、ああ確かにそうだ、と内心唸る。
つい、なんでもないことで責めたくなる。いつものことだ。
悪かったな、と思う。
何も責められることなどしていないのに。
ふと立ち返ってみれば、こいつはいつも俺の前では悲しそうに顔を伏せていた。
当然だ。顔を見れば何かと理由をこじつけてなじっていた。
まるでその存在を否定するかのように。
それなのに、どこで自信をつけてきたのか、こちらを睨みつけた。
お前にそんなこと言われる筋合いはない、なんて言いながら。
気がつけばあいつはもう俺の前にはいなくて、俺の知らないやつの腕の中で綺麗に笑っていた。
そうして俺に訪れたのは、ただただ後悔する日々。